考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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「除染作業への参加を考えているボランティアの方に知ってもらいたいこと」

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私のこのブログで何度も取り上げてきた除染ボランティアについてですが、関係者の方々が議論をされ、市民に理解頂きたい内容についてまとめられました。


「除染作業への参加を考えているボランティアの方に知ってもらいたいこと」(pdf)

発行:福島に寄り添う円卓会議 
参加団体:東日本大震災支援ネットワーク(JCN)、環境パートナーシップ会議(EPC) 、日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)、福島の野菜を食べる会、持続可能な社会をつくる元気ネット、CSOネットワーク



これだけの内容をまとめられた関係者の方々のご苦労は大変なものであったと思います。
外野から騒いでいただけの者として、何もご協力できなかったことを謝りますと共に、ご尽力に感謝申し上げます。

この文書では、除染ボランティアの矛盾、複雑さについてもかなり踏み込んだ書き方をしてくださっています。
多くの方に読んで頂きたいと思います。

例えば、現地の住民の方々の葛藤については、このような丁寧な記述があります。

福島県をはじめとする原発事故の被害を受けた地域では、放射線管理区域より線量が高い地域であっても、法的な基準が適用されず、例外地域として乳幼児を含む多くの人々が生活をしています。
二重基準により、「国が退去命令を出していないのだから心配し過ぎず通常どおり生活すべき」と考えるひと、「除染対象であるから除染だけはしっかりおこない生活すべき」と考えるひと、「そもそも危険なのだから除染対象地域になっており線量が下がるまでは避難すべき」と考えるひとなど、同じ地域内でも様々な考えが生まれています。
結果、「何故おおげさに除染などをしているのか」と周囲から白い眼でみられる、「地域みんなで除染をしているのだからあなたもやりましょう」と強要される、「周囲が除染している時に自分だけ避難するわけにはいかない」と悩みも様々です。



そしてボランティア自身の立場の複雑さ、そして活動に際しては注意深くあるべきであることも、下記のように分かりやすく伝えています。

…ボランティアに関して言えば、被害地域の外からくるボランティアの多くが年間被ばく量を1ミリシーベルト以下におさえるべく線量管理・防護対策を心がけ、安全に配慮するほど、その地域の危険さを強調することになり、住民の方に失礼なのではと感じたり、実際に失礼にうつったりと様々な葛藤があるようです。

…以上のような背景と状況がある中で、我々がヒアリングをしてきた「自発的に除染をしてきた地元の市
民」の方の中には県外から参加表明をしてくださっているボランティアについて、協力を求めることに
葛藤がある方も少なくありません。ボランティアに参加する前にインターネットや新聞記事などを調べ、
団体、行政などへ問い合わるなど、除染のボランティアの状況や背景についてよく知ることを強くお勧
めします。



この文書では、除染ボランティアは最終的には自己判断としながらも、上記のように踏み込んだ記述をしており、大いに注意喚起を促すものとなっています。そしてそれとともに、除染をしなければならない地域にいま住み続けている人達の葛藤に寄り添うための、理解を促す啓発書としてもとても有意義であると思います。

なお今回のケースは、ボランティアコーディネーターは政治的にも難しい問題に、どのように関わるのかという課題を残したと思います。

この点は今後も議論が絶えず必要となるものですが、ただ、ボランティアコーディネート機関は行政から独立した存在であることが重要なことが再確認されたと思っております。
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