考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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見捨てないこと。抱え込まないこと。~問題を外に拓く重要性~

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今日は「学びサポート×暮らしサポート全国実践交流会 in 京都」に参加
断ち切りがたい貧困の連鎖のただ中にいる若者の支援を行うのか。実践者達の集まりにおじゃましてきた。

分科会では、豊中の、定時制高校と就労支援団体の連携事例を聞いた。支援団体側は「自分たちはラッキーだった」と、定時制の先生とつながることができたことについて、述べた。
この一言に今の若者支援の現状が現れているのだろう。各地で優れた取組があるが、「点」が「線」になっていかない難しさがあるように思う。

つながっていないと、どうなるのか。
おそらく、と、定時制の先生は前置きして、自分たちは生徒が抱えている問題(例えば障害や、人間関係面での難しさ)に気づかずに、そのまま進学させていたでしょうね。と述べた。そしてその後、その子は退学してしまっていたかもしれない、と。

支援にあたっては、見捨てないことが重要である。問題を抱えた若者たちは、そう簡単に正社員にはなれないかもしれない。場当たり的な支援になってしまうかもしれない。しかしそれでも、一緒に悩んでくれる人がいる、というだけでも心強い。そう、心がけている、と、ある支援団体の方は述べた。

しかし、もし地域で、若者支援団体が他のリソースとつながれない、ということは、抱え込むおそれもあると言うことになるだろう。「伴走型支援」と言えば聞こえはよいが、一体、いつまで伴走すればよいのかということにもなりかねない。また、期限付きの補助金で活動している団体からは、「この子にとってのキーパーソンは誰か、と考えたら、誰もいない。自分たちは(期限付きなので)キーパーソンになれない。」という声も上がっていた。非常に脆弱な基盤で支援活動がなされていることがわかる。

日本は行政大国なので、ある程度はインフラ整っているとも言えるが、しかしそれだけに「制度の狭間」は深刻でもある。定時制高校にも行かない若者で、就労訓練にもひっかからない、そうした「文部科学省と厚生労働省のはざま」の若者が心配、という声も、会場からはあがっていた。

他方で、行政が中心となって困難家庭の児童の学習支援を行っているところでは、「うちにはNPOがないから」との発言があった。不思議な話である。政府と民間、双方が資源がない、と言っている。行政も「抱え込み」になりがちなのである。新しい資源を創ろうとか、あるいはよそ(他地域)の団体に手伝ってもらおう、という発想が求められているように思われる。

それだけに今回のような、支援団体同士の全国のつながりをどう活かしていくかが重要であると考える。

会場を見わたして「こんなに(支援者が)いるのにね」とつぶやいたスタッフの一言が象徴的だった。もちろん多くの支援者にとっては「同士」に会えるだけでも孤独に陥らず、重要な機会なのである。しかし、それを越えて、例えば支援団体同士のつながりで言えば、政治や社会へのアピールがもっとあってもよいなどと個人的には思った。

こうした、支援団体の全国的なネットワークには、代表性・正統性が絶対に付与される。それを活かし、もっと社会的に運動をした方が良いと思う。

業界用語で言えば、アドボカシーとキャンペーン。

新制度派組織論的に言えば、制度起業家行動である。

例えば別の福祉関係の事例で言えば、「宅老所・グループホーム全国ネットワーク」がある。同ネットワークでは、毎年、研究交流フォーラムを全国各地で開催しているが、その際、開催地の実践者達のみならず、市民や行政関係者にも参加してもらうよう積極的に働きかける。例えばシンポジウムは無料にして、行政関係者をパネリストで呼んだりする。そうして、その地域での「盛り上がり」を戦略的にねらっているのだ。


話を戻すと、支援組織が抱え込まず、しかし、見捨てられて、「はざま」に陥る深刻な状況が起きないように…と考えた時、結局、若者をエンパワメントするしかないのでは、と感じた。若者自身が、どうやったら自分自身のソーシャルサポートネットワークを築く(気づく?)ことができるのか、どうすればそれを築く支援が出来るのだろうか、ということが大きな課題として残った。

しかしこれは他人事では無くて、自分の職場の、眼前の学生達が抱えている課題でもあるなあ。
見捨てない。でも、抱え込まない。

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