考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

外国人と生活保護

Posted by sakunary on   2 comments   0 trackback

前回のエントリで、日本の生活保護で受給者全体における外国人の受給率は1〜2%、ということを明らかにしましたが、それでも外国人に生活保護を受けさせること自体、疑問な人もいる様なので、補足的にエントリ。

他国の生活保護(=公的扶助)で外国人がどのように扱われているかは、以下の論文に詳しいです。

堤健造「外国人と社会保障」『人口減少社会の外国人問題 総合調査報告書』109頁-124頁。

そこでは次のように述べられています。

生活保護法第 2 条(国籍条項)により、外国人の生活保護受給権は認められていない。しかし、日本における生活保護法の外国人に対する適用は、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」(昭和29年 5 月 8 日、社発第382号)に基づき、「外国人には生活保護を受給する権利はないものの、在留資格の存否・種類を問わず、少なくとも緊急な場合であれば日本人と同じ要件で生活保護を受給できる」と解釈・運用されてきた。



とのこと。そしてそれは上記の論文でも言及されていますが、国際規約に基づくものでもあります。

「世界人権宣言の内容を基礎としてこれを条約化した国際人権規約のうち、社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)第 2 条第 2 項と自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)第 2 条第 1 項及び第26条には、内外人の均等待遇の規定が設けられている」(上記論文123頁)のです。

なお、こちらのツイッターまとめ(Togetter)に、こうした状況のわかりやすい解説があります。

そこでの話の趣旨をまとめると、

1) 社会福祉から外国人を一律除外することは許されないが、2) 個々の制度によっては別異扱いはされていて、3) それも実態によってもめる要素はいっぱいあって、4) いずれにせよ「永住」かどうかで線を引くというのはあり得ない、ということです。



とのこと。

まあ、それでも「許せない」と考える人はいるかもしれませんね。
確かに、どんどん移民を労働力として輸入して、役に立たなくなった人からどんどん国外追放する国もありますから、そういう国がいいって良いという価値観の人もいるのでしょうね。

いずれにしても、日本の、国としての戦略や価値判断は上記の通りです。
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Comment

says... ""
1~2%ではなく、2~3%では?

全体の中でのパーセントよりも、割合を問題にすべきでしょう。
日本人よりも外国人の方が、生活保護率が高い現状があるわけで、
そういったことは問題です。
200万人中、4万世帯というのはどう考えても多すぎです。


2013.01.24 03:59 | URL | #- [edit]
says... ""
そうですね、ただ、「問題」とはどのような問題であるかが問題。「障害者の生保受給率はどう考えても多すぎる」、「シングルマザーの生保受給率はどう考えても多すぎる」。すべて、「問題」ではあります。
2013.01.27 22:05 | URL | #- [edit]

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