考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

国際学会での英語報告初心者向けアドバイス

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以下、海外留学経験も無く、大して英語も流ちょうでないのに、それでも無謀に国際学会で報告したいという方向けのアドバイス。(バカにしているわけではなく、自分がそうだったからよくわかるのです。そして今でもそう)

ただし個人的な狭い領域での経験に基づくのでご留意下さい。

正直私は耳も悪く(片耳が難聴気味)、語学センスもありません。
英語プレゼンに向けて買った、市販のマニュアル本はほとんど役に立たなかったです。だってもうぺらぺらな人が書いているのだから。

だからこそ以下のことは、これから国際学会報告にトライしようとしている人向けに、強調しておきたいです。


1. まずはネイティブが少なそうな学会、あるいは分科会を狙う

…これは前の前の記事で書いたとおり。安心感が違います。私はネイティブの方から「よくそんな英語で発表できるねえ」とか「あなたの研究はよくわからない」と小馬鹿にした態度で言われたことがあります。でもまあ、めげないことですね。また、あまりの英語のへたくそさに院生と間違われたことも。(ただ、これは悪いことばかりではなく、若い院生と逆にそれがきっかけで仲良くなりました。)

非ネイティブが多ければ、暖かく見てもらえることも多いです。なぜなら皆、最初はそうだったとわかっているから。英語をモノにする苦労をわかっているからです。


2. はじめは原稿棒読みで構わない。とにかく準備を入念に

…何事も慣れです。自転車でも補助輪から、スキーでもボーゲンから始めることが肝要。上達に近道はありません。まずは一字一句、原稿を入念に創り上げ、そして読む練習を何度かして、本番に臨むところから始めるしかないと思います。

何度かやっているうちに、それに「物足りない」自分が出来てくればしめたもの、ですね。余裕と欲が出てきた証拠ですから。人によってその回数は違うと思いますが、私はそうなるまでに10回ちかくもの報告回数を要しました。ですから、とりあえず10回やってみよう、と考えてはどうでしょうか。


3. ジャパニーズイングリッシュを堂々と話そう

…発音は気にしない。とにかく通じればいいのだから。福岡伸一先生のご著書に、ある国際学会でえらい先生が、科学の世界の公用語は、英語ではありません。へたな英語(プア・ イングリッシュ)です。議論が活発になることを望みます。と挨拶した、という話が出てきます。その通りだと思います。

しかしそうした消極的な意味だけでなく、発音的にも表現的にも、私は堂々とジャパニッシュを話したらいいと思っています。例えばものの本には、「日本人が好む遠回しな言い方(It would seem that~とか)は英語では自信がなさげに思われる」ということが書かれていたりします。それの何が悪いのでしょう。それこそ「日本人の英語」では。極端な話、和製英語も、もっともっと国際的に広げたらよいと思っています。(ガソリンスタンドはガソリンスタンド、モーニングセットはモーニングセットじゃい!)


4. 日本人同士で堂々とつるもう

…会場に来ている日本人とは全員と名刺交換しましょう。なぜか日本人は、海外で日本人同士で集まることに罪悪感を感じてしまいます。「日本人は海外に行くと日本人通しで集まっている」などと公言してはばからない人が多いからでしょう。でもアメリカ人はアメリカ人同士、中国人も中国人同士で集まっていますよ。ネットワーク研究者ならばすぐにわかるとおり、同質性の原理です。まずはコネクションはそこからで、次に海外の人とつながればよいのです。

それにメリットもあります。日本ではまともに話ができないような大先生とも、海外学会で数日ご一緒すると思いの外仲良くなることがあります。また英語の得意な人をつかまえておき、発表の時にサポートしてもらってもよいと思います。つまり、質疑応答の際に、質問が聞き取れなかったら通訳してもらえたならば大助かりですよね。


5. 最悪、ドタキャンも!?

…こんなことを発言したら大会運営で苦心された先生方に叱られそうですが、あえて参加のハードルを低くしたいために主張しておきます。国際学会では報告のドタキャンが非常に多いです。(何があっても報告するのは日本人と韓国・台湾人ぐらいかも知れません)当日行ってみたら、分科会の報告者がだれもいなくなって分科会が丸ごと無くなっている、という自体もまれですがあるほどです。だから、どうしても無理だと思ったらリタイアしてもいいのです。そう考えれば気が楽になりませんか?ただ、一歩一歩の前進が重要です。いつでも逃げられる、と思いつつ、がんばってください。


(補記)
・国際学会ではほとんどだれも配付資料(hand out)を用意しません(文系だけ?)。たとえ報告の要項に持ってこい、と書いてあっても、です(笑)

・ただその代わりに、フルペーパーの提出を事前に求めることが多いです。これが初心者には大きな壁ですね。英語論文一本仕上げさせるわけですから、まあチカラになることは確かですね。ただ、書き終えた充実感で報告の準備がおそろかになるということも多々あります。。。

・よく「英語の回路を頭の中につくる」なんて言いますが、ほんとにそんなもの出来るのでしょうか。私はただひたすら話を丁寧に聞いて、そして自分で構文を作って話すことしかできていませんが。また、アウトプットをひたすらすることでしか上達はありえないと思います。「無意識に英語が上達」なんて教材はほんと眉唾ですよね。

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