考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

山科醍醐こどものひろば訪問〜ミクロとマクロをつなぐ回路。あるいはアマチュアの持つ運動性について

Posted by sakunary on   0 comments   0 trackback

NPO法人「山科醍醐こどものひろば」の、「楽習サポートのびのび」におじゃましてきました。

●楽習サポートのびのび
自分がうまく出せない。自信がない。学校にも居場所がない。家庭に事情を抱えている。

でも、行政のサービスが受けられるような重度の課題を抱えているわけではない・・・
そんないわゆるグレーゾーンの環境にある子どもたちへ取り組みます。

 ・生活支援プログラム「らいふ」
  さまざまな事情(夜間就労・病気・介護・子どもの発達)に関して悩んでおられる家庭の夕方から夜の子育てをサポートします。
 ・学習支援プログラム「ら~にんぐ」
  発達障害や不登校など、集団学習がしんどいと感じている子どもの学習を支援します。サポーターがマンツーマンで一緒に学習に取り組みます。
 ・余暇支援プログラム ほか

山科醍醐こどものひろばホームページより



ということですが、私がお邪魔したのは、生活支援の部分。
場所は、山科醍醐こどものひろばの「げんきスポット」という一軒家。
こどものひろばさんはさまざまな活動をされているので、そこの建物のスケジュールもこんな感じ。

写真 13-05-01 19 10 40



当日は1名の中学生男子が利用者で、スケジュールはこんな感じで予定を立てましたが…。

写真 13-05-01 17 07 35


ボランティアの大学生もひとり。スタッフの方と私入れて、4人なので、のんびりした雰囲気でした。

ほんで、夕飯の買い物に行って、
写真 13-05-01 17 25 42


ゲームして、ご飯一緒に作って食べて、

写真 13-05-01 19 05 11

写真 13-05-01 19 23 47


またゲームして…さよ〜なら〜って楽しかったですよ。はい。
(あれ、勉強はどこいった…でも本人が宿題「ない」って断言してたけど…ちなみに遊んだゲームはドミニオンとカタン。ドミニオンは初めてだったから最下位でした。)

マクロ状況から言えば、学習困難生徒を支える生活支援…ってことになるけど、ワンショットはそんなもんだ。
実践でも研究でも、マクロとミクロをつなぐ回路こそが重要なわけで。
この取組が、どういうことにつながっているのかを理解していないと、「楽しかった〜」で終わってしまうし、逆に、「貧困問題」「福祉問題」と大上段に構えてみたって、まずは、目の前の「この子」がどう幸せになれるか。どうやって成長していくか、を、気長〜に見ていくところからしか、何も変えていけない。

そういえば、午前中の授業では、奇しくも、大学生が高校生のキャリア教育を支援する活動を行っているNPOを題材に、ケーススタディをおこなった。

そこで、大学生ボランティアに責任を取れるのか、という質問が出た。つまり、そんなまだ自立もしていない大学生が、しかもボランティアという「アマチュア」で、高校生の将来を左右することを発言して、問題が起きたりしないのか、という発言だったように私は解釈した。

このこと、訪問先で、スタッフの方や、学生ボランティアに聞いてみれば良かったけど…大事なことはいつも聞き忘れるのです。ああ。

でも活動の後で、団体の新・理事長(関係者の皆様へ。5月から交代したそうですよ)と会って、うちは運動的にやっている部分があって、という話をされていた(というかその話はいつも聞く)。NPOはボランティアのアマチュア性を積極的に評価し、それに理解を得る努力をしなければならないのだと思う。

大学生は「支援者」ではないんだよね。つながりなんだ。多くのつながりを作ることが、その子どもの成長に意味があるという確信が根底にあって、「支援」しているわけで。

そもそも「学修困難児童」は、学力という人的資源が不足しているだけではない。そこには文化資本も、社会関係資本も不足していることが多い。その背景には貧困とか障害とか、社会的排除と言われる諸問題があるのだけれど、いずれにしても、勉強のサポートすれば終わりではなく、専門家がひとり関われば事済むことではない。多くのつながりを作ることが、その子どもの成長に意味があるという確信が根底にあり、大学生が支援に関わることになっているのだと思う。

ボランティアのアマチュア性というのは、消極的な評価を受けがちだ。もちろんそうした側面は、ある。しかし、他方で、有給スタッフの専門家モデルの限界を越える可能性も持っている。

NPOはそのボランティアのアマチュア性を積極的に評価し、そして顧客や支援者(寄付者や行政など)から理解を得る努力をしなければならないのだと思う。
スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://sakunary.blog134.fc2.com/tb.php/123-73e48eed