考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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トロント大学のサービスラーニング

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トロント大学でのサービスラーニングの現状を理解する機会をいくつか頂きました。

トロント大学ではほぼ全ての専攻でサービスラーニングが取り組まれています。
トロント大のサービスラーニングのリストです→ http://www.ccp.utoronto.ca/Faculty/Academic-Service-Learning/Courses.htm

先日は、コミュニティ・パートナーシップセンターを訪問しました。日本の大学で言うところの、ボランティアセンターとかサービスラーニングセンターみたいな所です。

日本との共通点も多かったです。例えば、リフレクション(ふり返り)が大事というのが、こちらでも共通認識であることとか。特徴的だったのは、ディレクターが3名おられて、それぞれ、教員担当、学生担当、コミュニティ担当と分かれているところです。コミュニティ担当は元コミュニティワーカーだとか。コミュニティパートナーシップの名称は伊達ではありませんね。また、教員のサポート担当のコーディネーターがいるというのも興味深いです。日本の大学では、センターが独立して事業を行うばかりで、サービスラーニングを行っている各学部の教員の支援というのは、あまり聞きませんから。

トロント大ではカレッジ制をとっており、学生の生活支援はカレッジ単位で行っているとか。そのため、学生担当のコーディネーターはいつもはカレッジで対応を行い、ボランティアの相談や、リーディングウィーク(読書週間?一週間ぐらいの休みがセメスター中にあるそうです)に3日間程度の体験型のサービスラーニングを行っているそうです。

サービスラーニングを行う教員同士の交流会・研修会も行っているそうで、意地悪く、「教員は他の先生と自分の教授法を話すことを嫌うと思うんだけど」って聞いてみると、学部を越えているし、自由参加だから積極的な人が多いとのこと。

一緒にヒアリングに行った方が、日本での現状について、サービスラーニングの期間が終わると、学生がコミュニティに赴かなくなり、関係がそこで途切れてしまうのが残念だと話すと、こちらでもそうした問題はある、とのことでした。

また、地域団体との間にあつれき(コンフリクト)は起きていないのか、との質問に、コンフリクトはプログラムを改善し前進させるものであって、問題とは考えていない、とのことでした。前向きな姿勢で、地域と連携されていることが伺われました。

また、先日は、実際にサービスラーニングを行っておられるアンソニー・カットレス先生にお会いしお茶を飲みながらお話しした後、授業(活動ではなくてレクチャーの)にも参加させて頂きました。先生の学部では、サービスの期間は、1年、半年、夏休み中、半年を2回、という4パターンあるそうです。学生の活動の質が評価できないことや、活動時間が単位条件になることによって、講義の時間が圧迫されることなどが課題だと先生はおっしゃってました。

先生は、「サービスラーニングの成果は、学生に『ああ、そうか…(I see...)』と言わせることだ。」とおっしゃられました。その意味は、学生が大学で学んだ理論を実感すること。やれソーシャルキャピタルが大事だやれコヘッションが大事だと現場で言っても「はあ?」と言われるのがオチです。でも、それが実際、どのように大事なのかを実感することにある、ということです。

また、アメリカではサービスラーニングはエリート学生が「サービス」する理念的なところから端を発しているが、カナダではもっとプラクティカルで、すでにマルティカルチャルな社会の中でどう合意形成していくかを理解することに重きがあるのだ、とおっしゃられていたのも興味深かったです(ちなみに政治学の先生です)。確かに、以前お邪魔した別の授業でも、スクールガーデン(学校の園庭)を子供達がつくることについての積極的評価がある一方、移民はそれよりも読み書きを徹底するべきでは…という議論がありました。多文化ならではの議論がこちらでは当たり前にあって、刺激的です。

日本のサービスラーニングでは、教員が自ら活動先まで全て調整しなければならないんだ、と話すと、「テリブル…」とひどい顔で言われました。上に書きましたが、こちらではそれは、サービスラーニングセンターのコーディネーターの仕事になってます。

それにしても、こちらの授業はレポート多いし、授業で読ませる論文も多いですね。少人数だし、全ての授業が「ゼミ」という感じでした。

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