考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

スポンサーサイト

Posted by sakunary on

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

寒くてあったかい国カナダ:フリージングレインによる大停電

Posted by sakunary on   0 comments   0 trackback

 12月22日の朝でした。その日はクリスマス休暇の最初の日曜日です。起きてみると、ケーブルTVが映りません。同時に契約している、インターネットも電話もアウトです。状況が分からず、情報を得ようと外に出てみると、一面、樹氷の世界が広がっていました。
10 44 26
103734.jpg
1432.jpg

あまりの美しさに見とれていると、道路も凍ってつるつる。危うく転びそうになりながら、歩いていると、至る処で、木の枝や、大きな幹までもが折れて倒れています。どうやら氷の重さに耐えかねたようです。そしてそれが電線を切っていたり、道をさえぎったりしているのです。
1702.jpg
1054.jpg
10 45 44

これは大変なことになっていると、ようやくそこで分かりました。前日まで、天気予報で、フリージングレインなので注意するようにと警報が出ていた意味がようやく理解できました。これが「氷る雨」の正体だったのです。

 幸いにも、4日後のクリスマス当日に、我が家のケーブルTVやネットはつながるようになりました。しかし、それ以降も、停電も含め、市内全面復旧には時間がかかりました。カナダで、一年でもっとも幸せな時期であるクリスマスは、何十年に一度のアウティッジ(インフラストップ)によって、ホワイトクリスマスならぬブラッククリスマスになってしまったのです!

 ニュースでは、人々が助け合い、このひどい状況を乗り越えている姿が、報道されていました。近所の人達が一緒になって庭や街路に散乱した樹木を取り除いたこと。ウォーミングセンター(暖を取る場所=避難所)では、多くの赤十字ボランティアが支援活動を行っていたこと。教会では暖かい食事が無料で提供されていたこと、等です。実は教会やフード・バンクでは例年、クリスマスには貧困者向けに食事を提供しているのですが、それが今年に限っては近隣の人々へのサービスにもなったのです。

 日本では、東日本大震災の悲惨な被害状況の中で、多くの地域で人々が助け合い、「絆」が強調されました。しかしそれは日本人の気質に起因するものではなく、危機的な状況に直面した際には、人々は自然と、利他的に行動することが、社会心理学の研究蓄積から明らかになっています。ルポライターのレベッカ・ソルニットはその現象を「災害ユートピア」と名付けました。

 しかし実は、災害時に限らず、カナダでは、人々が助け合う傾向が非常に強いのです。世界38ヶ国を対象にしたギャラップ社の調査によれば、「困っている見知らぬ他者を、先月、助けたか」という問いに対して、カナダは「はい」と答えた人の割合が、世界で一番高かったのです(66%)。カナダでは、ボランティアをしている人の割合も、様々な統計から世界トップレベルであることが分かっています。まさに、「寒いけどあたたかい国」なのです(ちなみに前述の調査では、日本は困っている人を助けた割合は22.7%と“最下位”でした…)。

 新聞記事では、助け合った近隣住民がその後、思いがけず今年は皆で食糧を持ち寄ってクリスマスパーティをすることになった、なんて話も載っていました。呑気で前向きな姿勢も、カナダの良いところかもしれません。フライトキャンセルにより空港で立ち往生している人も、こんなことを(皮肉かもしれませんが)言っていたようですから。
 「家族でクリスマスを過ごせる限り、それはOKだからね。」

スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://sakunary.blog134.fc2.com/tb.php/155-991f796e
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。