考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

カナダにて英語学習について思うこと

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こちらに来てから、フィールドワークを兼ねて、移民向けの英語学校(English a Second Language; ESL)に通っている。そこで感じたことを散漫ながら書き連ねてみる。もちろん、私は専門家ではないので、あくまでも独り言。

下の写真は、私が通っている移民向けの語学学校の一週間のスケジュール。GはGrammarで、文法のこと。かなり文法重視なのが分かってもらえると思う。また、Vocabulaly(単語)、Listening(聞き取り)、Conversation(会話)、Pronunciation(発音)、Writing(筆記)、Reading(読解)と、日本の義務教育の英語カリキュラムと変わらない、バランスのとれた内容であることが理解頂けるだろう。なおActivityは、そのままアクティビティであり、ゲームやクイズをしたり、映画を観たりしながら、応用的に英語を学ぶ。(ちなみに、レベルは中級のクラス)
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ここはトロント教育委員会の委託を受けて実施しているところだが、私立のところが数多く存在している(トロント大学にも付属の語学学校がある)。こちらの語学(英語)学校にも、いろいろなタイプがある。文法重視のところ、会話重視のところ、発音を徹底的に習うところ。どれが良いかというと、難しい。要はバランスではないかと思う。それにしても文法軽視は、弊害が大きい。

若い子、特に女の子は、移民でも英語を流ちょうにしゃべる。たぶんこちらで友達も出来て、「何となく英語っぽい」言い方だけは真似しているのだと思う。でも何を言っているか分からないことが多い。発音も間違っていたり、論理的でないし、何より文法がめちゃくちゃだからだ。語学学校のネイティブの先生も言いたいことを理解するのに苦労している場面もある。たぶん日本人でも、文法軽視の「ひたすら聞いて話せば上達する」的な間違った教育を真に受けてしまうと、そうなるのだと思う。

その点、日本人は文法の基礎が、義務教育でかなり出来ていて、大学入試まで勉強した人は、完璧に近い。あとは単語と、アウトプットの問題だ。意外と単語は、日常用語が学校では習ってないので、苦労する。天気予報とか、動物の名前とか、野菜の名前とか、全然分からなかった!ちなみに語学学校では、幼児向けの本を読まされてますwそれでも分からない単語がちょくちょく出てくるのだけれど。

いずれにしても、やはり「使える英語」を身につけるには、アウトプットが必要だ。それは日本の学校での英語教育で不足しているので、その点「のみ」を捉まえて、日本の英語教育を駄目だという人もいるが、それはそれで誤りだと私は思う。基礎が出来ていれば、応用はいつでも学ぶことが出来る。要は、その人にとって、「英語が必要な場面/生活」が人生の中で訪れた時に、モチベーションが出来るから、その時になってまたがんばればよいのだと思う。だから日本の英語教育は今のままでよいというのが持論である。

移民向け英語学校の話に戻ると、まず、先ほど見て頂いたように、単語/文法/読解/発音/筆記/会話のバランスがとれている。そして、インプットとアウトプットのバランスもとれている。これは、カリキュラムでアクティビティがある、ということだけでなく、先生の教授法もそれを意識していると言うこと。うちのクラスの先生は常に対話型で、受講生同士での話合い、相互チェックも多い。アクティビティを多用する。同じ教え方はしない。同じ教え方をしていると、たぶん自分が飽きてしまうのかも。自分も飽きっぽいから何となく分かる。でもその方が、こちらも飽きない。緊張感持って集中が持続する。

現状ではこれが、最短で一から使える英語を身につける教授法なんだと思う。ただ、こちらの学校(義務教育含む)では、教員の裁量が大きいので、「当たり外れ」もでかい。うちのクラスで一度、先生が風邪ひいて代用教員が来たことがあったが、まあひどい授業で、一時間目で早退してきた。その先生との相性もあったと思う。だからあくまでも私にとっては、であるが、その時は、あまりにも時間の無駄だと思ってしまった。

あと、文化的な問題があるから、日本の英語学習は現地で使えない、みたいなことをおっしゃる方もいらっしゃるが、こればかりは何とも言えない。だって、世界で話されている英語は、それぞれの国の文脈に埋め込まれてしまっているから。行く国、英語を使う場面によって、違うだろうし。ネイティブ至上主義だと思わない私は、異文化は異文化で、どっちもどっちだから、お互いに理解し合う努力をしなければ、どこまで行っても英語なんか通じないと思っている。その点、トロントは、移民が多く、英語が下手な人も多いから、自分も昔苦労していたりして、がんばって理解しようとしてくれる人が多くて、良い街だと思っている。ただやはり、英語が下手だと、なかなか良い仕事に就けない現状はあるのだけれど。これはまた別のお話と言うことで。

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