考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

大人になると友達が減るのではない。増えない、のだ。

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いつも愛読している、小田嶋隆さんの日経ビジネスONLINEでのコラムで、成人式の後に、以下のような興味深い話が掲載されていた。

『友達が減っていくのが、大人の証です。』2014年1月17日(金)

たぶん日本にいたら違和感なく読んでいたと思うが、カナダに来てみると、「あー、日本って、そういう社会だよね…」と改めてふり返って考え込んでしまった。

 彼らが大切に思っている仲間意識自体が、私の目から見るとどうにも子供っぽく映るということだ


 大人になったら、友だちはいなくなるものだ。

 私自身が、そうだったからということもあるが、まわりを見回してみても、われわれの時代の人間は、おしなべて、そんなふうに考えながら年齢を重ねてきたものなのだ。
 大人には友だちなんかいないぞ、と。

 ところが、21世紀の若者は、いくつになっても友だちとツルむことをやめない。
 このことを、私は、いつも不思議な気持ちで眺めている。



こちらにいると日本の「常識」に違和感がわくことが多い。これもそのひとつ。なぜかというと、カナダでは逆に、大人になるほど友達が増える感じがするからだ。友達の垣根が低く、またつきあいもべたべたせずにいられる。日本は礼儀を重んじるが、カナダはフレンドリーを重んじる文化、とどなたかがブログで書かれていたのを拝見したが、まさにそんな感じ。

語学学校の先生のジョージ(たぶん同い年ぐらい)が、「僕の友達が、サンタにそっくりなんだよ」と、写真を見せてもらったら、本当に真っ白いひげのおじいさん。「友達」なのかー。そうかー。としみじみ思ったり。

実はうちの息子(というか家族)が、カナダに来て最初に知り合ったのは、マンションの掃除のおばちゃん。若々しく見えるけど、外で出会うと杖をついて歩いているし、60代だと思う。クリスマス前に息子が、折り紙のサンタをプレゼントしたら、「日本から来たマイ・リトル・フレンドの思い出だから、大切にするわ!」と言ってくれた。というわけで、息子がカナダに来て、最初に出来た友達は、60歳ぐらい年が離れている。

「日本では年の離れた友人をつくるのが難しい。若い人は、年配の人を敬わなければならないんだ。」と、語学学校でクラスメイトに話したら、「日本の年配者は、そんなにシリアスなの!?」と言われた。シリアス…どういう意味かな、と思いつつ、たぶん真面目とか厳粛とかの意味だと思ったので、「うーん、本当はそうではないんだけど、シリアスに振る舞わないといけない文化なんだろうね。たぶん。」と答えておいた。儒教文化が…と言おうかとも思ったけど、その質問をしてきたのが中国系移民の人だったので、たぶんそれは答えになってないかも、と思ったりした。

思うに、日本でもカナダでも、大人になれば、仕事や結婚やあれこれで、生活環境は変化するし、友人関係も子供の時と同じではいられない。同じように、「減る」と思う。しかし、カナダは日本と違って、大人になってから友人をつくりやすいのだろう。だから「減らない」。つまり、日本は「大人になると友達が減る」のではなく、「大人になると友達が増えない」社会なんだろう。日本だと大人になると、「ツキアイ」とか「セケン」(これも英語で説明しづらい言葉だなあ)は増え、そして年賀状は増えるのだけれどねぇ。そういえばこっちの人って、仕事関係や公的にお世話になった人にもクリスマスカードを送ったりするのかしら。親しい友達や家族の間柄の中だけな感じがする。クリスマスカードと年賀状。似て非なるもの、かもしれない。
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