考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

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日本のマスコミが報道しない、カナダでのソチ五輪への静かな抗議の拡がり

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ソチ・オリンピックが開幕しました。日本選手に、そしてカナダ選手にも頑張ってほしいです。

今回は、ソチ市長が「ソチにはゲイがいない」などと発言するなど、人権的な面から(悪い意味で)注目が集まっていました。

グーグルが、検索画面のロゴを、性の多様性の権利を主張する「レインボーフラッグ」に変えたことは、ネットでも一部話題となっていました。

グーグル、ソチ五輪にあわせトップページにLGBTフラッグ(2月7日AFP)



しかしながら、カナダのマスコミCBCによれば、こうしたロシアの反ゲイ法などの人権抑圧に明確に反対しているのは、五輪の大手スポンサーではごくごく一部にとどまっているそうです。(以下の記事によれば、通信会社のAT&Tと、ヨーグルトメーカーのChobani、 DeVry大学ぐらい)

"Big Olympic sponsors tread softly around Russia's anti-gay law"
(By Janet Davison, CBC News Posted: Feb 07, 2014 5:00 AM ET)


ところで、こうしたロシアでの人権抑圧には、カナダの各都市でも抗議の意思表明が広がっています。それも、LGBTの当事者や運動家たちだけでなく、都市としても。ケベック州モントリオールでは、市庁舎やオリンピック記念ホールで、レインボーフラッグが掲げられているそうです。

Rainbow flags to fly in Montreal, Quebec City for Olympics
Montreal City Hall and Olympic Stadium tower will also be cast by lit-up rainbow colours
(CBC News Posted: Feb 06, 2014 10:45 AM ET)


このほか、オタワ市、バンクーバー市や、カナダでもっとも保守的と言われるアルバータ州の都市でも、レインボーフラッグを市庁舎で掲げる動きが広がっているとニュースで聞きました。

もちろん、「多文化都市」トロントでもレインボーフラッグは市庁舎に掲げられました。しかし、トロントの現市長ロブ・フォードは、レイシスト・反ゲイ主義者として有名な御仁(何でこんな人がトロントの市長になったのかは、トロント七不思議の一つ)。なので、この旗がどうにも気に入らないご様子。「これはオリンピックによる国威発揚のためであって、誰かの性的指向を示すものではない」とレポーターに話してみたり、しまいには市長室の窓に自分だけカナダ国旗を掲げたりしたみたいです。

"Rob Ford wanted rainbow flag removed from Toronto City Hall - Says Sochi Games are about athletics, not sexual orientation"
(CBC News Posted: Feb 07, 2014 1:14 PM ET Last Updated: Feb 07, 2014 4:20 PM ET)


それにしても、2020年に夏の五輪開催を控えた日本で、同様の動きが企業や自治体で全く出ていない(かどうかは、日本にいないので詳しく知らないのですが)ことや、マスコミでもこうした世界の動向を報道していないようなのは、非常に情けないことです。日本は「和を貴ぶ」といいながらも、その実、「それぞれの国で、それぞれの立場がありますので…」とか言って結局は事なかれ主義だということを、世界に知らしめているようなものです。

それにしても、今回の一連の動向はとても興味深いです。極度に商業化し、そしてナショナリズムの発露でしか無くなったオリンピックで、その原点とも言える精神を取り戻そうとするひとつのうねりを感じます。少なくとも、カナダでは。


「スポーツを行うことは人権の一つである。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によりスポーツを行う機会を与えられなければならず、それには、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が求められる」(オリンピック憲章の一部)
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