考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

オンタリオ州のボランティアデータ

Posted by Masanari Sakurai on   0 comments   0 trackback

昨日おじゃましたトロント大のジャック・クォーター先生の授業では、イマジン・カナダの調査ディレクター、デイビッド・ラズビーさんが、オンタリオ州のボランティア活動の状況について、ご説明下さいました。

オンタリオ州は全国で2番目にボランティアをする成人の率が低いのだとか(48%)。ただ、一番低いのはケベック州(37%)で、それが平均を大きく引き下げているので、全国平均(47%)よりは高い。いずれにしても、2人に1人はボランティアをしている社会です。(余談ですが、今回のように、ケベックは様々なデータについて、けっこう例外的なデータが出る。多様性の国カナダを象徴しているような州です)

一番ボランティアをしている年代は、何と若い世代(58%)。次が35〜44歳(55%)。これは、若い世代は時間があり、学校で推奨(あるいは義務化)されていたり、また職業に就くための経験としてボランティアを行う傾向があるので、そのためではないかとされていました。35〜44歳については、こどもがいる場合といない場合で大きく異なるようで、こどもがいる人の方が、社会関係が広がるので、それでボランティアをすることが増えるのではないかと。確かに自分はこの世代ですが、学校やらスポーツクラブやらで、こども関係でボランティアに駆り出されることが、カナダでは(日本でも)多いようです。

ボランティアの内容が、日本と違っていて面白い。一番ボランティアをしている人の割合が高いのは、ファンドレイジング(資金集め)の活動で、47%の人が行っています(複数回答)。確かに、募金活動や、ケーキを焼いてその売上げを寄付するベイクセール、チャリティのシークレットオークションなど、こちらではファンドレイジングが市民に根付いているのを、強く感じます。また、街を歩いていると、(しつこいほど)NGOの説明(寄付者募集の)につかまります。これは、若い人が多いかな。

また、一番活動者の多い分野は、スポーツです。組織運営をボランティアに依存している率が一番高いのも、スポーツ。傾向として組織規模が小さいほど、ボランティアの率が高くなります。スポーツは日本でもそうですが、草の根のクラブが多い。そこでの指導はボランティアがメインです。こちらでは、スポーツはコミュニティづくりの一環とも捉えられていて、その支援をする団体などもあります。日本のように、アマチュアのコーチの指導に問題(怒鳴ったり、けがさせたり)とかはないのか、またどこかで聞いてみたいです。

デイビッドに、カナダ人は仕事はあまり好きではないけど、なぜボランティアは好きなの?と聞いてみました(って言ったら、笑ってた)。「ボランティアは「いいこと」だという認識がある。年配者には「義務的」(should)な意識の人もいるけど、一部だと思う。ほとんどの人はボランティアを楽しんでいる。それから、他人を助ける行動(インフォーマルボランティア、とも言う)をしたことがある人は、83%もいる。この行動とも関連がある。ボランティアはしているけど、他人を助けたことはない、という人は、全体の1%しかいない。」とのことでした。

イマジン・カナダは5年に一度、こうした大規模なボランティア・寄付・NPOに関わる調査をしています。日本でも、民間が主導してこうした調査ができるようになれば、より振興に役立つのではないかと思います。

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