考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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ショー・ザ・フラッグ!(トロントのLGBTの今)

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2月はソチ・オリンピックがありました。日本、そしてカナダでも、自国選手のメダル獲得に盛り上がりましたね。

今回の五輪では、ソチ市長が「ソチにはゲイがいない」などと発言するなど、人権的な面からも(悪い意味で)注目が集まっていました。こうしたロシアでの人権抑圧に対し、多文化への寛容・公正を重んじるカナダでは、各都市において抗議の意思表明がありました。市庁舎やオリンピック記念施設などで、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーといった性の多様性。最後にQ=クィアを入れることも多くなってきている)コミュニティのシンボルである「レインボーフラッグ」が掲げられました。Googleも五輪開幕に合わせ、自社の検索サイトのロゴに、このレインボーフラッグを採用することで、同様に抗議の意を表しました。

トロントでももちろん、市庁舎にレインボーフラッグが掲げられました。しかし、トロントの現市長ロブ・フォードは、人種や性に非寛容で有名な御仁(何でこんな人がトロントの市長になったのかは、トロント七不思議の一つ)なので、この旗がどうにも気に入らないご様子でした。「これはオリンピックによる国威発揚のためであって、誰かの性的指向を示すものではない」とレポーターに話してみたり、しまいには市長室の窓に自分だけカナダ国旗を掲げたりしたみたいです。

「あのレインボーフラッグは、各地のLGBTQコミュニティの運動の成果なのですよ。」とLGBT支援のNPOの方から、教えていただきました。こちらの社会運動は、方法論がしっかりしている印象。そして基本的にワンイシュー。日本のように、一つに関わったら次から次に関わらないといけなくなる…ということはない。期限を区切って終了する。こうしたコミュニティ・オーガナイジングのリーダーシップトレーニングが様々な所で開かれていて、それを学んできている人も多いとのこと。また、カナダ人ならではの「いい加減」文化も、「燃え尽き」防止に役立っているような気がします。

なお、トロントのダウンタウンには有名なゲイタウンがありますが、昔に比べるとかなり縮小傾向だそうで。一つには地価の高騰(中心部なので)もありますが、別の理由として、トロントでは同性婚が認められて10年以上経ち、普通にあちらこちらで、ゲイのカップルが「善き隣人」として暮らしているという現状もあるのです。こちらでは、ゲイカップルが代理出産などで子をもうけて子育て、というのもアタリマエになりつつあります。

何が社会の「普通」や「常識」かなんて、一つの国であっても、何十年かすれば変わってしまう。もちろんそれは、変えていこうとする人達の、とてつもない努力の結晶であるわけですね。穏やかでフレンドリーな街には、そういう一面もあることを教えられました。

それにしても、今回の一連の動向はとても興味深かったです。極度に商業化し、国威発揚の道具になった五輪の、その原点とも言える精神を取り戻す動きでした。

「スポーツを行うことは人権の一つである。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によりスポーツを行う機会を与えられなければならず、それには、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が求められる」(オリンピック憲章の一部)

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