考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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ボランティアの心理的契約

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Starnes, B. J. (2007) "An Analysis of Psychological Contracts in Volunteerism and the Effect of Contract Breach on Volunteer Contributions to the Organization," THE INTERNATIONAL JOURNAL OF VOLUNTEER ADMINISTRATION, XXIV(3), pp.31-41.

私企業の研究では雇用者と被雇用者の間で心理的契約関係が構築されるとされている。これは被雇用者の業績と維持に重大な役割を果たしている。この研究ではボランティアと組織の間で同様の関係が見られるのかどうか探るものである。アラバマ州の多様な非営利組織(地域団体、専門組織、友愛組織)で活動に従事するボランティア276名をサンプルとする調査の結果から、ボランティアは非営利組織と心理的契約を確立していることが示唆された。ボランティアは心理的契約違反を認知することで、活動時間を減少させ、彼らの業務の質を低下させていた。ただし、活動継続意識には影響しなかった。

心理的契約とは一般的に、「個人と組織との間における相互的な義務についての個人側の信念であり、その義務は約束の知覚を基礎としており、必ずしも組織側の代理人による認識を必要としない」と定義される。個人が、組織が心理的契約に違反していると認識した場合(すなわち、個人の期待に組織が応えていないと認識した場合)、業績、職務態度、職務継続、組織市民行動などを低下させ、さらに、職務満足とコミットメントを減少させると考えられている。
つまり心理的契約概念のキモは組織側が明示的に契約を取り交わしていない報酬でも、ボランティア(被雇用者)側が主観的に期待していれば、それが違反(失望)されることでモラールの低下を招くという発想。ちなみに本研究ではボランティアの心理的契約を、活動への期待がその6ヶ月後にどれだけ満たされていないか(契約違反があったか)で調べている。

Farmar and Fedor(1999)は、ボランティアの心理的契約は他のタイプの労働者のそれとは異なり、次のような特徴を持ち合わせていると指摘する。第1に、人々はボランティア活動の活動状況を相当程度に選ぶことができるため、非営利組織に対する義務感や期待感の形成において、活動に参加する動機が、ある程度は影響を与えているという点である。第2に、企業の従業員との、役割や態度や管理方法の違いから、ボランティアは取引的契約よりも関係的契約の性質を持ちがちであるという点である。本研究はこうした意見を支持するものとなったかたちである。

ボランティアマネジメントではボランティアの期待をよく理解し、それに応える姿勢が重要と言うことが明らかである。



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