考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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LGBT(多様な性)マーケットはビジネスチャンス?

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この記事にトロントの事が触れられているので、参考がてら。

レズビアン、ゲイ…LGBTに関心高まる 日本人の5%、市場規模5.7兆円
(サンケイ・ビズ 2014.5.19 06:25)

 同性愛者など性的少数者を示すLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)に向けたビジネスの可能性に関心が高まってきた。電通総研の調査では日本人の5%が該当、市場規模は約5兆7000億円にのぼる。より巨大な市場の広がる北米では高学歴・高所得者層も多く、観光や金融分野での取り組みが加速。LGBTの国際的な祭典「ワールド・プライド」が6月に開かれるカナダのトロントから、日本の将来像を探った。

 トロントの中心部には、LGBTの市内最大コミュニティー「チャーチ・ストリート」がある。最寄りの地下鉄ウェルズリー駅にはゲイとレズビアンのカップルの生活相談に関するポスターが貼られ、街にはシンボルのレインボー旗がはためく。専門のレストランや土産物店、シアターやコミュニティーセンターなど関連施設がひしめく。ゲイカップルがごく自然に手をつないで歩く姿も多い。

(中略)

 トロントの専門旅行社、トラベル・ゲイ・カナダの推計では、北米のLGBTは人口の6~8%を占め、市場規模は7500億カナダドル(約70兆円)、うち観光が700億カナダドル。今年はワールド・プライドの関連ツアーに世界中から観光客が集まるとみられ、同社ではナイアガラの滝などをセットにしたパッケージツアーを出している。「潜在的な市場は大きくさらなる成長が期待できる」という。

(中略)

ただ多くの日本企業はLGBT支援を打ち出すことに慎重だ。期間中、米国やスウェーデンの在日大使館がブースを出したが、カナダは参加を見送った。理由を広報担当者は「同性婚が認められていない日本での市場の拡大には限界があり、時期尚早と判断した」と打ち明ける。



この話題(ビジネス対象としてのLGBTマーケット)は、定期的にマスコミが取り上げるのだけれど、カミングアウトもままならない人権抑圧社会のニッポンで、注目する大企業は何なのだろうと考える。

無知蒙昧を啓く、新たな福音派なのか。

それとも、商売のタネになるなら何でも御座い、と二枚舌で集金に勤しむベニスの商人か。

言い換えれば、キャピタリズムは人権抑圧を解き放つのか。それとも、それに加担しより酷くするのか、ということでもあるでしょう。そして、当事者はそれに、どう対抗していけばよいのか。

LGBTの当事者運動が弱い日本では、LGBTの企業も弱いのが現状だと思います。社会的正義の観点からは、まずはそうした企業との「社会的に公正な取引」を政府なりが率先して行うべきだと考えています(以前の投稿「トロントで開かれる国際スポーツ大会では、“多様な性”の団体からも資材を調達」をご参照のこと)。

このままでは日本は、LGBTを「市場」としか見なさず、金のあるLGBTには人権を認めるが、それ以外は勘弁(あるいは日本お得意の「察しろ」)、という社会になっていくのではないかと危惧します。

以前、LGBTの運動にトロントで関わっている方を取材した際に、当事者団体の間でも、プライドパレードが商業化していることに対しては、賛否両論なのだというお話しがありました。多様な性の祭典が広く取り組まれることは嬉しいが、しかし主要なパレードのフロートが営利企業の物であって、企業の宣伝に使われることへの違和感もあるのかもしれません(以前の投稿「ショー・ザ・フラッグ!(トロントのLGBTの今)」もご参考のこと)。

また、政治的にも緊張はあるようです。とりわけ今の市長は、恐ろしく保守的なので、プライドパレードに対する市からの予算に条件を付けたり、LGBT関連(特にエイズ予防)の予算を削減したりと、対決姿勢を鮮明にしています。

ワールド・プライドは誰が、何のために開催するのか。なにを目指しているのか。また、日本ではどういう状況にLGBTの当事者は置かれているのか。どうしたらいいのか。そうした視点が、この記事にはあまり感じられないことが残念ですね。
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