考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

コミュニティオーガナイジングの本質とは?

Posted by sakunary on   0 comments   0 trackback

業界的に知る人ぞ知る、「コミュニティ・オーガナイジング」のマーシャル・ガンツ博士(ハーバード大)の講演会に行って来た。結論から言えば、本当によかった。抱いていた疑問が氷解した。

コミュニティ・オーガナイジングとは、北米では抑圧された「持たざる者」が「持つ」抑圧者に対して、権利と社会的正義を実現するための闘争の手法。それがなぜか、日本では、ポップでナウなソーシャル系☆のつながりづくりライフハック♪みたいな感じで広まっているのが、不思議でしょうがなかった。
ええっ、おハイソなハーバードではそんな風に教えてるのかい!?という感じだった。これは本人の話を聞いてみてから、批判するならしないと、と息巻いて行ったのだが…。

結果。ガンツ博士は、社会運動家でした。それも筋金入りの硬骨の士。学生時代に公民権運動に参加したのがきっかけだとか。彼が伝えようとしているのは、社会運動の伝統的な理念と方法論です。だとすると、何がこんなズレを生んでいるのか。

その答えは、日本の活動紹介の後の、ガンズ博士のコメントに現れていた。氏は、「京都のNPOは本当にこんなに必要なのか。(社会的)起業もいいが、企業の本質は競争でのつぶし合いだ。もっとつながって、コミュニティの本質的な問題を掘り下げないと」と述べた。コミュニティオーガナイジングが日本で顴骨堕胎されて伝わっていることについての、いらだちがそこにあるかのような、発言であった。

後で個人的に話した際には、「民主主義」をしきりに強調していた。そう。日本のソーシャル系☆にないのは、まさにそういう本質的な議論だ。

私「日本の社会運動は時々、セクト化するのですが、どうしたらそれを避けられるのでしょうか。」
ガンツ「理想ばかり語るからだよ。現実に根ざしたビジョンを基礎に語り合わないと。でも、日本はアメリカよりもずっと平等な社会だね。」
私「しかし、アメリカから学ぶべき点は多いです。こういった課題解決の手法とか。」
ガンツ「手法が多いってことは、課題もそれだけ多いってこと(笑。」
私「問題がつながっているから、NPOもつながらなければならない、と言うことでしょうか。」
ガンツ「現実、社会問題はすべてつながっている。それは、時には個別で解決していかなければならないし、時には本質的な部分にアタックしなければならない。」

北米での社会運動の歴史を知らないまま、ちょっとノウハウ的に理解しようとするのは、まあそれもありかも知れないですが、本質もちょっとは知っておいてほしいな、とおじさんは思うのです。パウロ・フロイレぐらい読んでから手法の話に入ろうよ、と。

しかし日本のNPOは法律制定以来、ずっとノンポリを気取ってきたけど、そろそろ政治にコミットしてもいいのではないのかな。また、コミュニティへの関与もまったくと言っていいほど(京都では)できていないのも気になっています。
懇親会では酒が入った勢いで、上記の内容を関係者や若者に管巻きましたが…ごめんなさい。(むしゃくしゃしてやった。今は反省している。)

スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://sakunary.blog134.fc2.com/tb.php/224-e44ec002