考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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地域課題解決を促す場づくりのヒント(センター・フォー・ソーシャルイノベーション訪問記)

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2015年夏のトロント訪問記録。リーゼントパーク地区にあるセンター・フォー・ソーシャルイノベーション(CSI)。

市内3ヶ所+ニューヨークに1ヶ所拠点を持つこの団体は、名前の通り、ソーシャルイノベーション(社会的変革)の支援のための施設を運営している。ただし、主に行っているのは、社会起業家のためのコワーキングスペースの運営であり、それ自体では、最近ではわりとありふれたものになっているかも知れない。ただ、市内3か所目として2012年にオープンしたここは、他の場所とは少し変わっている。

そもそも、「社会起業家」とは聞き触りはよい言葉ではあるが、要は、海のものとも山のものともつかぬイケイケな連中が集まってくるのは、こういった社会起業系、あるいは「場づくり・つながり」系ではよくあること。

しかしながらここは、立地が絶妙である。リーゼントパークという、もともとは貧困地域であり、現在は絶賛再開発中(いわゆるジェントリフィケーション)の場所に、置かれている。そのため、そうした山っ気の多い連中が、実際に地域の課題解決につながることを行ったり、あるいは地域の人々向けの取り組みを行うことで、センターで地域住民と自称社会起業家達がふれあう機会が生まれている。

例えば写真にあるように、まず、センターに入ってすぐのロビーには、共用キッチンがどーんと置かれている。これはセンター設置の際にこだわったデザインだそうだ。人々が食事を作ったり、あるいは食べたりしながらの自然な交流が生まれる場所を意識している。
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また、別の写真にあるように、住民のニーズ調査から、コミュニティガーデンプロジェクトが発生している(写真では枯れていますが…)。ガーデン、とは、日本語では草花の園芸になってしまうが、こちらでは畑の意味が強い。つまり、食べられる野菜を植えたい(収穫したい)、というニーズが、地域住民から寄せられ、場所を提供してスタートした、ということ。人気過ぎて、場所が足りなくなっているそうな。
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こうして、ゆるやかながら、地域の人々と意識高い系の人々を結びつけているのが、ここの興味深い点。こういう所ってゆるやかはゆるやかでも、地域からは遊離したふわっとした話にしかならなかったりする「ゆるふわ」系が多くて、そうではなく、それをきちんと地域課題に結びつけるあり方を模索していたので、ひとつのヒントにはなった。

また、最近の大学では、最新鋭の施設で学ぶしかけを作るのが流行っているが、キッチンを作ろう、という発想を持っているところはどれだけあるだろう。J.デューイが述べている、生活と学びを結びつける、本来の意味での「アクティブラーニング」をわかっている設計者がいれば、見た目だけ最先端な生活から切り離された「ラボ」を設計しても、生きた学びが誘発されないことは分かるはず。教育についての専門家ではない建築会社(と大学の管理部門)にそれを要求するのは酷な話しなのは分かってはいるけど。

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