考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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リンゴとオレンジ(シンポ「東アジアの社会的企業」報告)

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一連の学会の報告の続き。
今回の学会には、台湾・香港からの一行も参加していて、それは東洋大の今村肇先生・須田木綿子先生の科研費と、私の研究費でお呼びしたものだった。
そのため、月曜は東京でもシンポジウムが持たれた。

東アジアの社会的企業
-台湾・香港・日本における市民社会組織(CSO)と
労働統合型社会的企業(WISE)をめぐる
アーキテクチュアとダイナミックス-
(「新しい公共」の担い手を求めて)

NPO学会明けでくたくただが、なんとかお付き合いすることができた。いま、帰国の途に着いている。

img-1.jpg

(写真はシンポではなくて、その前に京都で、カンファレンス参加者と作業所が運営するカフェに調査に行った時の様子です。)


シンポに登壇した海外ゲストは下記の通り。

Yu-Yuan Kuan,
Department of Social Welfare, National Chung Cheng University
Kam-Tong Chan
Department of Social Science & Administration, Polytech University of Hong Kong,
Shu-Twu Wang
Department of Social Work, Pintung University of Science and Technology,Taiwan
Lucia Lu
CEO of the Begonia Foundation

台湾でも香港でも社会的企業は台頭してきており、それらの研究報告があった。会場には日本側の専門家の他、北欧の研究者や、イタリア人の東大研究員もおり、大いに議論は盛り上がった。
ただしこの手の議論は、すれ違いであることも多い。なぜなら国家間で文脈・法律の違いがあるためだ。社会的企業も世界的に注目されているものの、その概念はリージョナルで様々に異なっている。イタリア人の彼(実は友人)がイタリアでは社会的企業と非営利組織は別物だと発言したので、しかしヨーロッパの最近の定義では一緒にしていると私が反論したら、後でエライ剣幕で再反論された。よくよく聴いてみると、イタリアの法律的な部分では別々、という文脈だった。

しかしあまり概念論で終始しても生産性がない。台湾の先生がトポロジー(位相)が大事、という発言をされた。オレンジとリンゴを比べても仕方がない。要は何の部分を比べるか、である。ドメスティックな文脈を尊重しつつ、どうやってリージョナル/インターナショナルな観点で分析を深められるかが、今後の研究課題となりそうだ。

また、東アジア各国で今、大きく注目されている社会的企業形態はWISE(Work Integration Social Enterprise:労働包摂型社会的企業)であることが分かったことも、今回の学会・研究会の大きな収穫だった。
日本でもリーマンショック以降、さらに貧困問題がクローズアップされるようになってきており、ホームレス、若者、その他社会的にディスアドバンテージを持つ人びとの労働市場への包摂が問題となってきている。とはいえ、従来型の福祉では限界があり、社会的企業への期待が大きくなっている。こうした流れは世界的にも見られるようだ。

研究会の後、近くの居酒屋で(また)痛飲。韓国・台湾の先生方とも(やっと)お別れ。6月に台湾で開かれる国際会議での再開を約束して帰国の途に着いた。

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