考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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「いろどり」ケース分析

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大学院授業「非営利組織研究」にて、非営利組織ではないのですが社会的企業の一種ということで、著名な徳島県上勝町の株式会社「いろどり」の成功要因・成果について、ケースディスカッションを行いました。

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まずはオーソドックスに中心的設立者である横石さんの行為に議論が集中。
起業家の特性や行動に注目する、古典的なアントレプレナーシップへの研究アプローチと言えます。
(日本では社会起業家の研究は未熟であり、未だそこから抜け出していないものも多いのですが)

しかしそこから議論の展開が興味深かった!
主な論点は以下の通り。

・「いろどり」のアグリビジネスとしてのイノベーション性の指摘がありました。単に、葉っぱ(つまもの)を売り出したことがすばらしいのではなく、この時代の農業ではありえなかった、画期的な仕組みの構築がイノベーションである。エンド・ユーザーまで見通した垂直的な統合システムや、多品種少量生産、そしてトヨタ顔負けの、FAX(今はインターネット)を使ったジャスト・イン・タイム方式。

・同様に、コミュニティビジネスとしての成功要因は単に葉っぱを売ったことではなく、地域資源を活用したこと。ここからが重要なのですが、なぜ地域資源の活用が重要なのかというと、初期投資が少なくて済むからだという指摘。(これは盲点。あっぱれな発言でした)

・高齢者や女性の活用は良く言われることですが、そのためのインセンティブ・職場環境づくりがすごい。誰でも参加できるように業務が標準化されており、なおかつ情報公開は競争と助け合いを生み、地域のおばちゃんたちがインターネットを使いこなすまでに動機づけされました。

・パートナーの役割の指摘。最近の起業家論でも注目されている議論ですね。

・アメリカ的な社会的企業概念でよく使われる「ダブルボトムライン」。経済的指標だけでなく社会的な指標で事業達成を測るという発想です。「いろどり」の場合、高齢者が元気になったこと、雇用を創出したことが社会的指標としてよく取り上げられますが、実はマスコミに頻繁に取り上げられるようになるなどの「地域ブランド化」の成功がもっとも大きな社会的達成なのではないでしょうか。


ケースディスカッションはいつも、思いもよらない展開で議論が広がり、そして論点がクリアになっていくので、授業する側も楽しいです。
しかし普段はこの授業、こんなに経営学的ではないのですが…なぜこんな議論展開になったのでしょうか(笑)(いつもはもっと社会学的)


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