考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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ISTR二日目

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本日、午後の分科会で参加した内容を紹介したい。
高齢者のボランティアと健康という統一テーマで報告された研究の中で、オランダの研究者の内容が興味深かった。これまでにボランティア活動をしている高齢者は健康で、寿命も長いという研究結果が散見されるが、それが何故かがあまり明らかではなかった。そこで本研究では、いくつかの先行研究を元に3つの仮説をまず提示。

1)「ボランティアを楽しんでいる」仮説。すなわち人生自体を楽しんでいるから健康。
2)社会ネットワーク仮説。社会ネットワークが健康の情報や規範を強化することが知られている。ボランティアが社会ネットワークを広げることによって、健康をもたらしている。
3)個人強化仮説。人生を制御している感覚の高さや神経症的性質の低さがボランティアによってもたらされ、それが健康に影響している。

アムステルダムの高齢者のパネル調査のデータを元に、様々な指標を使って分析。
結果、すべての仮説がそれなりに実証された。
ちなみにネットワークでは、ネットワークの広さと、道具的なサポート、および他者援助の関係が重要で、エモーショナルなサポートネットワークは寄与していなかった。

日本でも、高齢者にボランティアをさせて介護予防にしようという政策が一部の自治体では、なされている。
この調査結果から言えることは、単純にボランティアをさせれば高齢者が皆健康になるというわけではないということだ。楽しいボランティア、本人のネットワークを広げるボランティアなどが重要である。
報告者ともディスカッションしたけど、ボランティア活動の内容が重要、と報告者も言っていた。その通りだと思う。

欧米では教会がコミュニティの基盤として存在していて、そこで活動している人が多い。
日本の場合はやはり町内会?最近は町内会でボランティアをする高齢者も減っているのかもしれない。NPOの役割が期待されるところかも。

いずれにしても、介護保険絡みで想定されているような福祉施設でボランティアをしても、ネットワークは広がらないのではないかな、と思ったりもした。あるいはボランティアが活動していて楽しい福祉施設があれば、いいのだけれども。昔カナダで訪問した高齢者施設ではボランティアが非常に楽しそうに活動していたことを思い出す。

その報告者は、日本人は、社会参加(投票とか)が権利でなくて義務だと思っているらしいが本当か、と訊いてきた。fannyだけどほんとだ、と答えておいた。ボランティアも義務ではなくて権利という意識があれば、高齢者も健康になるのかな、と思ったりもした。

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