考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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いわてGINGA-NET報告会に行って来た。

Posted by sakunary on   2 comments   0 trackback

いわてGINGA-NETプロジェクト報告会に参加した。残念ながら午前中しか出られなかったが、満席に近い参加者であった。午前は、岩手県立大の教員と学生、送り出し側の大学職員、そして参加した学生が登壇してのトークセッション。午後は、参加した学生同士の交流会であった。一日通して、学生達がボランティア活動の経験を振り返る、とてもよい企画だった。

報告会の詳細はこちら→http://www.iwateginga.net/プロジェクト報告会のご案内/

laoV.jpg

いわてGINGA-NETプロジェクトは、この夏、岩手に被災地支援に、1000人規模で全国から学生を集めたボランティアプロジェクトである。
(過去の記事に私がちょっとだけお邪魔したレポートを載せています→「陸前高田8/27の様子~いわてGINGA-NETのとりくみ」

いわてGINGA-NETプロジェクトの面白いところは、現地の岩手県立大学ボランティアセンターが、被災者のニーズに徹底的に寄り添いながら、ボランティアとしての学生の学びという二兎を追い、それを見事に両立させているところだ。サービスラーニングの手本ともいっていい取組だった。午前のトークセッションでも、主催者側から、本企画がどのように被災地支援に役立ち、そして現在、専門的な支援へとつながったのか、などの紹介があった。そして、参加した学生からは何をどのように学んだのかという話があった。

自分は、8月にGINGA-NETの活動現場を訪ねたのと同じ時期に、宮城の某VCも訪ねたが、そこでは、「もう誰でもボランティアとして来てほしい時期は終わった。ニーズは変わった。これからは人数は少なくて、いつでもどこでも何でもしてくれる人がいい」と言われた。千人以上の学生を動員したところと、もういらないと言い切るところ。何が違うのか。

こちらを見てほしい。

volunteers.jpg

これは、全国社会福祉協議会調べによる、震災被災地のボランティア人数の推移表をグラフ化したものである。

これによると、夏前まで、東北3県では宮城県がボランティア受入れ人数がもっとも多かったが、8~9月は岩手県がもっとも多くなっている。

夏になって、急に岩手県でボランティアニーズが急増したのか?そんなはずはない。これは、私は、いわてGINGA-NET効果ではないかとみている。すなわち、地域ニーズをかたちに(プログラム化)し、ボランティアを募集するという、適切な「ボランティアコーディネート」がなされたためである。

こんなニーズがある。こんなボランティアが来た。だから結びつけよう…というような古典派経済学的な「需給調整モデル」で考えていたら、地域のボランティアニーズなど「もうない」のだろうし、あるいは下の記事のように、ボランティアの善意が減った!というようなミスリーディングをしてしまう。

「ボランティア足りない 参加のべ人数「阪神」の3分の1」
(朝日新聞、2011年6月19日)

 被災地でのボランティア減少に歯止めがかからない。震災後の3カ月間に岩手・宮城・福島の3県で活動したボランティアはのべ約42万人で、同時期に約117万人が活動した阪神大震災の約3分の1。「もはや関心は風化したのか」という嘆きも聞こえてくる。…



そうではなく、ボランティア活動はオーストリア学派的な、シュンペーター流の、「イノベーション」を起こさなくては、新たな活動も始まらないし、ボランティアも集まらないと思った方がいいのでは無かろうか。

その意味で、今回の取組は、全国の大学を巻き込み、ボランティアバスを多数出させたのも画期的であった。GINGA-NETのプロジェクトは、大学が乗りやすいかたちであったことは確かだ。安全性が担保されており、衣食住も確保されている。岩手県立大という大学組織も主催団体として関わっている。中身は完全にプログラム化されているから、後は大学側はバスを仕立てるだけでOK!という安心感と気軽さがあった。

最初に、被災者ニーズと学生の学びとの二兎を追う取組であったと紹介したが、このような取組だった上に、参加した学生に向けて昨日のような充実した報告会までされては、送り出し側の大学ですることは残ってない。せいぜいこれからの学生達のアクションのフォローがんばるしかない。

しかしそれにしても驚くべきは、現地での受け入れコーディネーションは、そのほとんどが岩手県立大の学生達によって担われていたことだ。
間違いなくもっとも学び成長したのは県立大の学生達だろう。彼・彼女らは、今回の活動を契機として、NPO法人を設立した。今後の展開も楽しみである。

「復興支援へ学生ネットワーク 県立大生らNPO設立」

岩手日報(2011/10/30)

 滝沢村の県立大(中村慶久学長)の学生らは、学生ボランティアの組織化や災害復興支援に携わる人材育成などを行うNPO法人を設立する。学生を全国から受け入れ、東日本大震災の被災地で支援活動を展開した「いわてGINGA―NETプロジェクト」がきっかけ。災害などに迅速に対応できる体制を学生主体で整え、復興や安全なまちづくりへの貢献を目指す。…


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Comment

あーさー(岩手県立大学) says... "No title"
記事を読ませていただきました。

ボランティアコーディネートについて書いていただきました。
3月以降夏まで、現地で継続的に活動させてもらい、各地の社協と私たちとの間で関係性ができていたことが、夏のいわてGINGA-NETプロジェクトの見逃せない点ではないかと思います。
自分たちも初夏から、お茶っこサロンを開催させていただいていたからこそ、皆さんにも呼びかけ(コーディネート)を出来たのではないかな、と思います。

コメントありがとうございました!
2011.11.14 23:43 | URL | #R0pBgCs2 [edit]
sakunary says... "Re: No title"
お読み頂き、ありがとうございます。
現地での継続的な取組による、地域の人達や団体との信頼関係があってこそ、夏の大規模なプログラムにつながったということですね。報告会でも山本先生が説明されてましたね。すばらしいです。

私が夏にお邪魔したとき、住田町内で迷ってうろうろしていたところを、住民の方が呼びとめ、車に乗せて、体育館まで連れて行ってくださいました。たぶん、これまで皆さんやボランティアの人達が礼儀正しく町民の方たちとお付き合いされてきて、私にも親切にして頂けたのだろうなあと思っておりました。

もうひとつ感動したのは、1クール4日という非常に短い期間でありながら、各チーム、その期間内で何らかの成果を達成していたことです。学生のパワーはすごいなあ、と。そして、それを継続的な成果へとつなげておられたのは、県立大の学生コーディネーターチームの力量でもありますね。

何が復旧か、何が復興か、と考えると、まだまだ住民の方にとっては実感のないことかと思います。
これからも微力ながらお手伝いできれば幸いです。みなさんもお体に気をつけてがんばってください。
2011.11.14 23:55 | URL | #- [edit]

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