考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

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除染ボランティアに抗議します(その3)

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除染ボランティアについて、このブログや、さまざまなMLなどで活発なご議論を頂いたお陰で問題性がクリアになって来ました。
ボランティアコーディネートにおいて、私が考える問題点について整理しておきたいと思います。

おそらく今回の件、ボランティアコーディネート上の問題としては、
1)安全性の面から適切か
2)政治的な意味合いから適切か

という二点の論点があるかと思われます。


1)について

放射能リスクはLNT仮説によっても低線量の影響は分からず明確にリスクがないと言い切れない中で、なぜ積極的にボランティ アでの被ばくを薦める必要があるのか、疑問があります。

例えばこれがヒ素ならばどうでしょう。ダイオキシンならどうでしょう。
「ここまでは大丈夫だから、ボランティアで作業しに行きましょう。」などという話を聞いたことがありません。
それなのに、なぜ今回の放射能の場合は、ぎりぎりまではOK!というようなチキンレースに、ボランティアを巻き込まなければならないのか。倫理的に説明がつかないと私は考えております。

また、私は自分が行くのであれば責任の範囲内ですが、例えば学生に薦める場合においては、「自発的に行ってね」と言っても、責任をとらざるを得ないでしょう。ですから、コーディネートのリスクマネジメントから言っても、安易に薦めることはできません。

ちなみに、私の個人調査では、ボランティアが除染作業によって受ける外部被ばく量は現状、2~10マイクロSv/hです。
http://sakunary.blog134.fc2.com/blog-entry-82.html
ただし内部被ばく量は不明。マスクが防じんマスクでないなど、驚くほど軽装備なので、呼気による内部被ばくはそれなりにあると考えられます。

次に2)についてです。

今回、除染の大号令をかけているのは国と自治体であり、住民は、場合によっては違う意見を持っていることも多いようです。

本ブログの以前のエントリでは福島市や郡山市の市民の方の話を紹介しましたが、以下のような、飯舘村の話も表に出て参りました。

「まず除染」大合唱の陰でホンネを言えなくなった飯舘村の“移住希望”村民
週プレニュース [2011年11月11日]

除染か避難か―。東京電力・福島第一原発事故によって放射能汚染された市町村で住民同士の対立が起きている。
除染費用は巨額だ。国が2012年度までに計上した除染費用は計1兆1400億円。だが、ある経済産業省職員が首を振る。
(中略)
計画的避難区域に指定され、全住民が村外へと避難している福島県飯舘村の20代男性村民が悲鳴を上げる。

「村役場はもちろん、村の年配住民も『除染して村に戻ろう!』と言うのですが、僕ら若い世代の意見はちょっと違う。村外に移り住みたいという声も少なくないんです。だけど、『まずは除染』の大合唱の前に、それがなかなか言い出せない。避難という言葉も『ネガティブだから使うな、保養と呼べ!』と怒られる始末です」

9月28日に飯舘村が発表した除染計画によると、2年後までに宅地、5年後までに農地、そして、20年後までに森林を除染する。その概算費用総額は3224億円。飯舘村の人口は約6000人だから、ひとり当たり5000万円以上にもなる計算だ。前出の20代飯舘村民がポツリとこう漏らす。

「飯舘村の75%は森林です。ということは、村の4分の3のエリアは20年後まで除染ができないということ。年配の人はそれでもいいかもしれないけど、僕らはこれから結婚して子供もつくるんです。すべての除染が完了しないまま18年も住むなんて怖すぎる。それよりも、ひとりにつき5000万円もらって、ほかの土地でやり直したいというのが本音です。彼女とふたりで1億円。新しい土地で再起するには十分すぎる金額です。だけど、その本音が言えない。『おまえは村を愛していないのか! ふるさと再生に協力しないのか!』と叱られるから……」

(後略)



このように除染ボランティア活動は、必ずしも住民の総意ではなく、逆に住民の健康的な生活を損ねる可能性があるセンシティブな問題です。
このような政治ゲームに参加し、ボランティアコーディネーターが積極的に「政府・自治体サイド」に加担する意義はどこにあるのでしょう?
政治からの中立性を守りつつ、市民の生活向上に寄与する活動を推進するのがボランティアコーディネーターの使命だと思っていたのですが…。

以上のように私は、住民のためにもならないし、ボランティアのためにもならない(健康を損ねる可能性がある)ような除染ボランティア活動を、なぜ積極的に(消極的にも)ボランティアコーディネーターが薦める必要があるのか、理解できません。むしろ、問題の多い活動なので反対運動した方がよい、と思っています。→削除(11/16)

福島の複雑な事情を考慮に入れたときに、ボランティアで行うべきこととしては、もっと別の支援の方法があるのではないかとずっと考えています。(それが何なのかは現場の人間ではない弱さですが)
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