考えるイヌ〜桜井政成研究室〜

研究メモ、ゼミなどの教育活動、その他関心事など。

誰が寄り添えるのか~パッチワークとしての支援~

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3月13日から15日にかけて、宮城県多賀城市で支援活動と調査を行いました。教員・院生・学生、総勢12名でした。

14日には、多賀城市の多賀城公園野球場仮設住宅におじゃまさせて頂き、京都のお茶とお菓子でのサロンを開催させて頂きました。前日にも、学生達が全戸にチラシを配布させて頂いたのですが、当日はどれぐらいの方がお越しになるのか、自分たちの活動に意味があるのか…みな不安でした。

フタを開けてみると、開始時間からぱらぱらとお集まり頂いて…

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ああ、とりあえず数人でもお越し頂いてよかった、と、ほっとしていますと…

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あっという間に大盛況!

結局、30~40人の方々に参加して頂いたかと思います。

子どもとのお菓子作りワークショップも大成功でした。

写真 12-03-14 13 44 49


仮設住宅を日頃から支援されている方からは、「京都から学生さんが来て、珍しいし楽しそうだから、皆さんお集まり頂いたんだと思いますよ~。」と言って頂けました。
でも、それだけではなくて、仮設住宅でもコミュニティが形成されてきていて、そこに我々はおじゃましました…という感覚も強く持ちました。

帰り際、学生がぽつりと言った一言が忘れられません。

「お年寄りがいて、子どもがいて、お母さんとかもいて…ああいう交流の場って、普段の地域では、無いんじゃないですかねぇ。」…そういえば、そうですね。コミュニティが無いのは、仮設住宅だけでは、ないのです。

行政の方からも、次のようなお話をお聞きしました。
町内会や自治会などの自治組織については、防災の意識が高いところもあって、避難訓練をきちっとしていた地域もあった。しかし、そうした地域よりも、単純に集まってお楽しみ会の活動をよくしていた所、顔の見える関係をしていた地域の方が、非常時に「あの人いないよね、大丈夫かな」と、救援活動などがよりよくなされたとのことでした。
普段からのコミュニティづくりの重要性を改めて感じさせられます。

しかし同時に、被災地においては、自治組織の限界も明らかです。
自治組織の役員も被災者であり、自分や家族のことで精一杯。地域の人達の状況まで把握できる状況にはないでしょう。

今回の仮設住宅では(二つ目の写真にも写っているのですが)様々な支援団体の人が、仮設住宅のコミュニティづくりのお手伝いをしていました。それは、TEAMみちのくPlan Japan宮城大学学生団体OSPなどです。

そして仮設住宅では、住民の、女性方が中心となって、「さざんかの会」というコミュニティ活動を行う組織が立ち上がっていました。これも興味深いところです。女性会のような形ですが、自主的な任意団体としての設立です。

こうした多様な支援組織が協力することによって、仮設の方たちのお話を聞き、寄り添うことができていれば何よりです。
京都へ避難された方への支援の話でもふれましたが、決してきちっと制度化された体制が必要なわけではなく、被災された方に、誰かが寄り添い、話を聞ける状況があることが大事だと思います。
これを私は「パッチワーク型支援」と呼んでいます。

パッチワーク型支援の弱みは明らかです。支援の網の目が均一でないので、漏れる可能性があることです。

しかし、それでも、私はこのパッチワーク型支援に可能性を感じています。
第一に、支援を受ける側にとって、選択肢があることです。
あの人にはちょっと話をしたくない…という場合、「○○支援員」という肩書きが単一の組織に付与されている場合、代替がききません。
多様な組織、多様な人が関わることで、多くの被災者と関係性を構築できるのではないかと考えています。

そして第二に、ボランティアが関わる余地があることです。
もちろん、相談に載ることは誰にでもできることではありません。
しかし、例えば、仮設住宅で立ち上がった任意組織のように、同じ被災経験を持っているからこそ聞ける話があったりします。いい意味で、「すきま」があるからこそ、多くの人がそこに関わることができると考えます。

つらい思いをした人に、誰が、寄り添えるのか。
誰でもいいのです。寄り添えるのであれば。
話をたびたびして、そして、必要があれば、専門的な支援機関につなげる。
そのように考えています。

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